輸入ビタミン剤のカラクリ
90年代に起こったビタミン剤ブーム。
しかし日本では大容量のビタミン剤が手に入りません。
ビタミン剤に対する考え方が日本とアメリカでは異なっており、アメリカでは食品として販売されているのに対し、日本では薬として販売されていました。
なので含まれるビタミンの量も、日本の場合はアメリカの10分の1程度の貧弱なもの。
アメリカでは「メガ・ニュートリション」なんていって、ビタミン剤を大量摂取して病気に立ち向かおうという運動もあったようで、そのための大容量ビタミン剤が、非常に安い値段で沢山売られていたわけです。
ところがそれは日本では手に入らない。
日本で手にはいるのは総合ビタミン剤と書かれた貧弱なビタミン剤だけ。
なのでどこかでアメリカのビタミン剤が手に入らないかなと、ずっと思っていたんですが、「安心」だったか「爽快」だったかの健康雑誌に輸入ビタミン剤を販売する会社の広告がありました。
その会社は神戸にあったんですが、すぐに葉書を書いて資料を取り寄せた事を覚えています。
そうしたらすぐに商品と成分表、簡単な説明が書かれたパンフレットと、商品の価格表が届いたんですね。
それを見て私はさっそくGNC社ウルトラ・メガというビタミン剤を注文して、商品の到着を今か今かと待っていたんです。
日本でアメリカのモノが買えるからくりとは
90年代のビタミンブームのころ、体調を崩していた私は、どうしてもビタミン剤が欲しくなっていました。
しかし日本で売られているビタミン剤というのは、成分の数も分量も非常に貧弱で情けないもの。
なんとかアメリカの大容量のビタミン剤が買えないものか?そう思っていた矢先に見つけた雑誌広告。
日本にいながらアメリカのビタミン剤が買える!そう思って喜び勇んで注文してみたんですが、商品到着はなんと3週間後でした。
注文したら5日もあれば商品が届くものだと思っていたのですが、よくよくパンフレットを読んでみると、どうも日本には在庫を置いていないらしい。
そりゃそうですよね、日本に在庫を持っていたら、薬事法違反になってしまいますから。
じゃあこの会社はどうやってアメリカのビタミン剤を仕入れて売っていたのかというと、アメリカ西海岸に事務所を持っていただけだったんですね。
それでFAXで注文を受けとっては近くのドラッグストアに行き、注文のビタミン剤を買っては日本に送っていたわけです。
要するにこの会社がやっていたのは輸入ビタミン剤販売ではなくて、個人輸入代行業だったってことですね。